2017秋学期 水曜 図書館建築論 6週目
前回までのあらすじ
図書館とは何か?
libraryは一つの制度
建築とは何か?
※原初的には、自然条件から保護されるシェルター
建築とは、論理や情緒が創造性をもって置換され構築された状態。および、構築に至る過程。Buildingはあくまで工学的なモノ。Architectureは芸術哲学文学を含んだ文化・文明さえも内包した概念。
デザインとは何か?
アップルのロゴ、スポーツ用品(アディダス、ナイキ)のロゴ、canonのカメラのプロダクトデザインおよびロゴデザイン(よくみると凝っててすごい、気にしたこともなかった)、スポーツカーのデザイン(外見もさることながら、「加速」と「減速」のデザイン)、レゴのアーキテクチャとしての可能性、ヴィトンやシャネルの装飾パターン、大手コンビニチェーンのマーク、etc......
語源はラテン語のdesignsre:具体的な問題を解決するために思考・概念の組み立てを行い、それを様々な媒体に応じて表現すること。単に意匠設計の意味で使われることも多いが、その場合“style”が使われる。
図書館にこそデザインが必要だ!!!
本の装丁はすでにデザインが入り込んでいる。
書架やブックトラック、閲覧室の椅子に至るまでだんだんとデザインが浸透してきている(?)
椅子の話
セブンチェア、アントチェア、キャンパスチェア、マウイチェア
市政のロゴ
野々市市文化交流拠点 学びの社・ののいち・カレード
図書館にとっての建築の役割とは?
資料の保存先?本を読む場所?ひとの居場所?図書館はビジュアルより中身?
デザインが図書館をより良いものにする(そりゃそうだ)
デザインの歴史から見る図書館建築
ミケランジェロ / ラウレンツィアーナ:階段;あふれ出る知性(ルネッサンス期)
パッラーディオ / ラ・ロトンダ
ティエンヌ・ルイ・ブーレ― / 王立図書館計画案(18世紀半ば)
アンリ・ラブルースト / サント・ジュヌイヴィエーブ図書館(鋳鉄筋造 1843年)
ジョセフ・パクストン / クリスタルパレス(万国博覧会:鉄とガラスによるアーチ構造 1851年)
→材料はすべて工場で大量生産:現地組み立てのみ
アンリ・ラブルースト / フランス国立図書館(1875年)
ギュスタブ・エッフェル / エッフェル塔(エレベータの実現:1889年)
ビクトール・オルタ / タッセル邸(自然界の曲線を生かすという潮流:1893年)
ニューヨーク公立図書館(1911年)
オットー・ワーグナー / 郵便貯金局(自然採光:1912年)
ル・コルビジェ / (1936年)
ミース・ファン・デル・ローエ / シーグラムビル(1958年)
レンゾ・ピアノ&リチャード・ロジャース / ポンピドーセンター(1978年)
マイケル・グレイブス / ポートランドヒル (ポストモダニズム:1982年)
磯崎新 / つくばセンタービル(カンピドリオ広場のパロディ:1983年)
リチャード・ロジャース / リロイズ・オブ・ロンドン(1984年)
ノーマン・フォスター / 香港上海銀行(フロア吊り上げ式:1985年)
ドミニク・ペロー / フランス国立図書館(ポストモダニズムに終止符:1994年)
フランク・O・ゲイリー / グッケンハイム・ビルバオ(複雑だが巨大な建築:1997年)
Minoru Yamasaki / WTC(設立当時規模でのテロ想定があるも崩壊:1973年-2001年)
レム・コールハース / シアトル公立図書館(2001年)
ヘルツォーク&ド・ムーロン / ブランデンブルク工科大学図書館(2005年)
2011.03.11 東日本大震災
ザハ・ハディド / 新国立競技場当選案(2012年)
メカノー・アーキテクツ / バーミンガム図書館(大きな吹き抜け:2014年)
伊東豊雄 / ぎふメディアコスモス(間接光、木造でやさしいつくり:2015年)
BIG(オランダのチーム) / Residence(2016年)
ヘルツォーク&ド・ムーロン / エルプフィルハーモニー・ハンブルク(2017年)
MVRDV / 天津市浜海新区・浜海新区文化中心図書館(2017年)
見るものを惹きつけ、印象付ける建築もありなのでは?
来週以降の予定
11/22 図書館空間のデザイン
11/27 Mon 図書館建築学総論&次の会の演習の説明
12/13 wed 演習
12/20 wed 演習成果の発表
演習の内容
あなたが図書館長に選出される。
行政の長「君の力を存分に発揮して、素敵な図書館にしてほしい」
- サービス方針の策定
- 蔵相規模の計画
- どういう場にするかの構想
- 図書館建築に対するオーダー
- あなた自身のこの図書館に対する想い