2017秋学期 金曜 質的調査法 6週目
前回までのあらすじ
本日のお品書き
- 印象のマネジメント
- 社会化という考え方
- 逆に、波風を立たせてみる
- オーバーラポールという問題
- 試験について
- 最後に:だれの利益になる研究なのか?
印象のマネジメント
立場によって相手への態度を決める
自他の立場をはっきり区別し伝えること
派閥やグループがあった場合でも、いずれにも与しないスタンスの確立が必要
メモ/録音しようとしたら、威圧感を与えたり話渋るようなことになってしまう場合
・社会化という考え方
子どもが様々な活動にさんかしながらその文化や社会の一員としての振る舞いや態度を身につけて行くというプロセス → フィールドワークにも同じことがいえる
・通過儀礼という考え方
ある共同体に入るときに課される儀礼。ソトからウチに移行するときに行われる。
そのコミュニティにおいて、何か特定の行動が通過儀礼であることも考えられる。
逆に、波風を立たせてみる
なんらかの問題提起する
納得できない事柄について話、議論する?
自身が完全に透明な存在になる必要はない
考えをぶつけて変化を見るのもフィールドワーク
オーバーラポールという問題
対象と過度に密な関係を築いてしまい、
それによって自分としてはよろしくないことが生ずる場合
まずは正直にそれを伝える、わかる人はわかってくれる。そうでない場合は自分の指導者などに助けを求める(ex.ストーカー被害)
試験について
12/22 2限のみ
持込:課題に指定した本のみ
回答用紙と問題用紙が一枚ずつ、論述式
1.言葉、概念の意味をそれぞれ三文程度で説明
2.キーワードをいくつか選び、課題の本について論ずる
3.上記と同じくらいの分量だが、未定
暗記している事ではなく、理解している事、応用できる事に重きを置いている
まとめとして
フィールドワークには人間関係におけるストレスがつきもの
1.権力の問題
・調査者は調査協力者に対して「権力」を持っている
→立場の非対称性があることに留意
調査者が圧倒的に強いのだから、学ばさせてもらっているという謙虚さが不可欠
2.親密さの問題
・調査者は権力を持つと同時に「無知な外者」としての弱さを持つ
→人間関係において付け入られる隙になる
最後に:だれの利益になる研究なのか?
短期的には調査者の研究成果のための研究
長期的には調査したフィールドの人々に還元されるような、社会に還元されるようなものであるべき
次回
まだ